豊台区、南中軸(南苑森林湿地公園)に関する計画建設討論会を開催 専門家が南中軸について語り合い、「境界のない自然公園」づくりを探索
日付 : 2024-11-19 出典 : 地区融合メディアセンター

11月14日、「南中軸エリアの計画建設と南苑森林湿地公園の未来発展」をテーマにした討論会が、南苑森林湿地公園(以下「南森」と略す)内の燕景台で開かれた。この会議は「南中軸を語り、南森の発展を共に模索する」をテーマに掲げ、南中軸エリアの建設計画や位置付け、南森の建設成果を議論し、今後の発展の新たな道を探り、北京市のグリーン発展に寄与することを目指した。

総面積600万平方メートル以上の森林湿地

首都南部の「エコロジカルな緑肺」を構築

会議に先立ち、記者たちは出席者とともに電動カートで公園内を移動した。雨上がりの澄んだ空気の中、散りゆく葉がさらさらと音を立て、多くの観光客が「天然酸素バー」としての公園を満喫していた。燕景台に立つと、南中軸の壮大な景観と秋の南森の趣が融合する風景、総面積600万平方メートルを超える雄大な森林湿地、香り高いコーヒー、興味をそそる本、美しい夕日が、訪れる人々に癒やしを与え、午後のひとときを楽しめる楽園のような空間が広がっていた。

その後、南森の計画・設計責任者である韓炳越氏が、南森の基本情報や建設目標について説明した。公園は建設が着実に進み、北京市南部住民にとって重要な余暇活動の場となっているだけでなく、北京の都市スカイラインを南部地域から眺められるスポットとして観光客の人気を集め、また、SNS映えするスポットとしても広く知られるようになった。

専門家や学者からのアドバイス

南森の計画・設計・運営を支援

一つの場所から地域全体を見渡すことができる。地域全体の森林都市・庭園都市づくりを目指す北京の取り組みは、世界の巨大都市が「人間・都市・産業・グリーン・文化」を調和的に統合した都市を構築するための「北京見本」を提供している。

中国初のメガシティの中心市街地における「澄んだ水と青い山こそが金山であり銀山である」実践革新基地の称号として認定された豊台区は、「グリーンシティの九つの方針」という生態環境建設戦略を打ち出した。「都市を包む森林」「都市を繋ぐ緑の道」「都市を貫く青い水」「都市を潤す湿地」「街中の公園」「都市内農地」「都市を香らせる花と果物」「都市の生物多様性」「美しい都市景観」の構築といった一連の具体的な措置を通じ、豊台区は地域の生態環境の質を改善し、「古代の魅力を伝える永定の中心軸、現在の都市を囲む青い水とグリーンの回廊」という豊台区の新たな美しい一頁を開いた。

南森の燕景台は、市民が高台から北京市を眺めるための新しいランドマークを提供するだけでなく、南中軸の3大軸である「生態・文化・発展」のコンセプトを具体的に体現し、計画段階から実現へと進む画期的な取り組みとして評価されている。交流・討論会では、中国都市計画設計研究院副デザイナー・北京事務所長の劉継華教授が、中南軸エリアの建設計画について詳しく紹介した。この計画では「生態軸・文化軸・発展軸」という理念が掲げられ、北京市の首都機能の向上とともに南部地域の発展を促進することが目指されている。

専門家たちは中南軸の計画と建設について活発な討論を行い、「庭園都市建設」「公園+構想」「エコロジー・ガバナンス・モデルエリア」「国際交流の場」といった話題を重点的に取り上げた。中国都市計画学会会長の楊保軍氏は、「南中軸は社会秩序、文化秩序、空間秩序において重要な地位を占めている。公園建設は中国文化の中立と調和思想を昇華させ、調和という美的概念を持つべきであるため、公園がより良い生活を示し、魅力的で、皆の心のよりどころとなるよう造られることが重要である。また、南森の独特な地理的位置と文化資源をフル活用し、『公園+構想』をうまく進めるべきで、将来的には公園が南森地区の独特さを創出し、南森で非公式な外交機能を実現することが期待される」と述べた。中国都市計画設計研究院院長の王凱教授は、「中軸は礼儀の軸であると同時に、都市のエコロジーと市民の幸せの軸でもある」と述べ、南森の計画で理念導入に重点を置き、突破口を見つけるべきだと指摘した。

その後、専門家は南森の計画、設計、運営について貴重なアドバイスを提供した。中国造園学会会長の李如生氏は、公園の特徴をさらに形成するため、都市の生物多様性を保護し、文化的価値を深く掘り下げ、ファッションと活力を融合させることで、公園の建設を継続的に推進すべきだと示唆した。また、中国建築学会建築計画・評価専門委員会副主任の李忠氏は、「南森には長い歴史があり、歴史物語を深く掘り下げ、観光客の徒歩距離などを合わせて考えたうえで観光地を適切に配置し、公園を訪れる市民の楽しみを高めるべきで或る」と述べた。中国科学院動物学研究所の研究者・国家動物博物館館長の張勁碩氏は、「将来的には、科学技術手段を利用することで、観光地のより詳細な解説システムを構築し、サービス施設の建設において趣味性、芸術性、インタラクティブ性を高めることで、体験による消費を促進し、南森ならではの自然生活シーンを形成することができるだろう」と指摘した。さらに、都市計画・自然資源委員会の総デザイナーの石暁冬教授は、「中南軸と南森の物語をよく伝えるため、中南軸の資源や資産を詳細に調査し、重要なタイミングを把握しながら、公園と周辺エリアの他の施設建設との同期性を確保し、総合的に統括して資源を合理的に配分することが重要なのだ」と述べた。北京林業大学副学長の李雄氏は、「南森公園の今後の維持管理や建設では、科学的な緑化理念を堅持し、都市の生物多様性の保護に引き続き力を入れつつ、植物の植栽では都市公園の景観化を避け、積極的に地元の地被植物を選び、自然で野趣あふれる歴史的な風貌を再現する必要がある」と指摘した。

公園管理施策の最適化

「境界のない自然公園」の創造を探索

「境界のない自然公園」とは、公園の物理的境界を取り払うことで都市と自然を一体化させ、市民が自由に緑の空間を行き来できる環境を目指す構想である。討論会では、この構想の利点や課題について議論が進められ、南森の発展や管理体制のアップグレードに注目が集まった。

南森は「境界のない自然公園」という概念を積極的に模索している一方、このような開放性は公園管理にも多くの課題をもたらしている。専門家は、公園管理者が観光客への指導と教育を強化し、管理とサービスのバランスを取れるよう、ペット活動エリアを設定するなどより科学的な管理方法を研究すべきであると提案した。

豊台区は専門家の貴重な意見を真摯に受け入れ、積極的に南中軸と南森の計画・建設を推進しており、南苑森林湿地公園を都市・園林融合、庭園都市の実践基地として建設し、また、南中軸地区を生態的に住みやすく、文化的に繁栄、経済的に発展する新たな都市地区に建設するよう努力している。

(特派員:沈桂紅 インターン記者:姜歓)